JP Road mirage - Sumomo Toxin / すもも毒素

現在波乱の真っ只中です。そんな中で実際にしたこと、感じたことを書いていきます。これが誰かの助けになればうれしいです。

あと一ヶ月 改元による情報システムへの影響はどうか?

 

情報システム部門にいたので、改元の恐怖は身に染みてわかります。

実際は2000年対応の方がはるかに大ごとで、

1年前から計画データの計算がおかしくなり、

集計データが一通り出終わる1年後まで、

必死に対応していたにもかかわらず出てくる不具合と対決していました。

 

それでも今回の改元はそれほど大ごとにはならないのではないかと思います。

理由は二つあります。

 

一つは企業の年号に対する考え方の変化と、

もう一つはシステムの運用形式が変わったことです。

 

民間企業の年号に対する考え方は、この30年で大きく変わりました。

30年前は民間企業でも年号に和暦を使う企業は多くありました。

そのため、社内システムの変更はかなり大規模になりました。

しかしこの30年の間に、二本立ての年号管理が無駄であるとして、

システム見直し時に西暦のみにする企業が多くなりました。

官公庁では和暦が必要な書類も多いのですが、

出力時にテーブルで変換してしまえば済むので、

それほど大きな問題にはなりません。

 

もう一つのシステムの運用方式については、

30年前はかなりの企業が独自の社内システムを構築していました。

そのため、元号対応も自前で対応しなければなりませんでした。

現在はほとんどの企業が外製のシステムを導入しているので、

システムベンダーが対応するのを待っていればよいのです。

システムベンダーはもうとっくに対応を済ませているはずです。

 

上のような理由で、今回の元号対応が民間企業に与える影響は

ほとんどないでしょう。

 

あえて民間企業と言っているのには当然意味があります。

これで非常に大きな影響を受けるのは、日本の官公庁です。

官公庁は、基本的に和暦で書類を管理しているからです。

 

おそらく、大きな官公庁はもう対応を終えていると思いますが、

問題は地方です。

 

上で引いた記事の、各自治体内のアプリの問題がその一つです。

さらに各自治体で入札して作ったようなシステムがたくさんあると思いますが、

その対応が考えられているかどうかです。

 

自治体のアプリの問題は、自治体の仕事が外部ネットワークにつなぐ必要が

ないために起きています。

 

セキュリティの観点からも、アプリの不正使用の問題の観点からも、

ネットワークにつながなければリスクがとても低くなるので、

つなぐ必要がなければつながない、というのは正しいのです。

 

アプリのバージョンが変わるとマクロや関数で不具合が起きることもあるので、

システム管理をする人間は、極力バージョン変更を減らしたいのです。

 

しかし最終的に、それで楽をしてきたシステム管理の成れの果てが

上の事態を引き起こすのです。

 

しかし、一年前から改元の話は出ていたわけですから、

それなりに対応は進んでくれていると思います。

ただ、上の記事を読む限りはそうでないところもありそうなので、

そこはとても怖い感じがします。